AERA 2003年7月7日号
「社会起業家で働きたい!」
〜好きな仕事で評価されてくらせる楽しさ
渋谷・マークシティの17階にオフィスを構えるNPO「ETIC.」は、2年前から若者を対象に社会起業家を支援する活動を始めた。NPOも企業も参加する事業計画コンペを開いている。マネックス証券の松本大社長らを審査員に迎え、助言をする。代表の宮城治男さん(31)は早稲田大学在学中から学生起業家を支援してきた。宮城さん自身、電話1台から始め、夜はバイトをしながら活動を続けた。周りにはIT長者がたくさんいたが、金銭的価値には興味がなかった。「今までは起業を日本に定着させることに専念してきましたが、今後は起業の目的が問われてくる」
持続のため利益追求も
社会起業家からお金を取るのではなく、支払ってまでコンサルティングをする団体も登場した。「ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京ベイ(SVP)」。コンサルティング会社員やMBA保持者ら30歳前後の20人がメンバーだ。代表の井上英之さん(31)は説明する。
「僕たち自身も、社会起業家の支援を通して発見や気づきがある。だから、お金を払ってでも支援したい。英会話学校に通うようなものでスキルをつけるためです」
ETIC.やSVPの支援で起業したのが、「スローウォーターカフェ」だ。昨年のETIC.コンペのグランプリを獲得し、女性4人で5月に有限会社化した。エクアドルのコーヒーの輸入・卸を通じて「スローなライフスタイル」も提案する。11月にはカフェを開店する予定だ。
代表の藤岡亜美さん(23)はもともと、エクアドルのコーヒーを販売するNPO「ナマケモノ倶楽部」の理事だった。だが、カフェ出店するには、社債を発行して出資を募る必要があった。そこでNPOから企業を派生させた。
また使い捨てのライフスタイルをやめようと、水筒を入れる麻袋も現時で作り、日本で売っている。大量発注はしない。現地の人が生活と仕事を楽しんで両立できるよう、気を配る。
「持続するためには会社として利益を追求しなくてはいけない。でも、そもそも動機は環境やライフスタイルについてメッセージを伝えること。それがひっくり返らないように選択をしなくてはいけない。そこが難しさです。」
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