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※Vol.05は現在準備中です。

Vol.04 ソーシャルベンチャー・パートナーズ (アメリカ:シアトルなど) 
http://www.investorscircle.net/

いわゆる「ベンチャー・フィランソロピー」の先駆けで、ソフトウェア関係の起業家だったポール・ブレイナード氏を中心に97年にシアトルで設立された。単独の大きなスポンサーを持たず、パートナーと呼ばれる個人の出資と、彼らの直接の専門性ある時間の提供の組み合わせで地域のソーシャルベンチャーを支援する、個人によって構成される新しいタイプのギビング・サークル(投資クラブ)である。投資先の組織が成長するだけでなく、パートナーと呼ばれる投資家自体も成長することをミッションとして掲げている。

なお、このモデルは、97年の設立以来、各地で展開され、現在では北米を中心に約25箇所にアフィリエイト(自立した支部)が存在する。

この時の、投資の細かな形態や、投資先のテーマなどは、地域の事情や自分たちの価値観に基づいて各地域のパートナーたちが自ら選択している。

例えばシアトルでは、教育問題に重点的に取り組んでいる。共同出資者(パートナー)は、最低5,500ドル/年を拠出するほか、マネジメントやweb制作などに協力、労働も提供する。97年から、資金200万ドルと、1万時間のボランテイア労力を集め、20の非営利組織をアシストしてきた。こうした投資活動以外に、社会投資家育成のためのワークショップ等、啓蒙活動も行っている。

投資先への主な支援内容

金銭的な支援に加えて、パートナーの強みと、投資先の強みをうまくマッチさせて支援を行う。支援領域は「事業計画」「マーケティング戦略」「理事会運営」から、「財務・会計」「資金調達」「IT」「人事」「法務」「スタッフのトレーニング」まで多岐にわたる。

主な投資先(SVPシアトル)

  • Center For Human Services
    1970年設立。個人や若者、家族を対象に家庭の問題に対する様々なサービスを提供、また、3つの地域でファミリーサポートセンターも運営している。
  • Rainier SCHOLARS
    有色人種の才能がある小さい子供たちを、公立学校や独立学校の厳しい学習環境に置くことで、彼らに長期的な成功や大学進学を実現させるという活動を行っている。学問に対する意識付けを継続的に行うために、子供とその家族に対する支援の期間は10年以上にものぼることがある。
  • Powerful Voices
    10代の女の子を対象が仕事を通じて、リーダーシップスキルや批判的思考を身につけ、さらに自身の潜在能力を引き出すことができるようなプログラムを提供している。4つの中学校に加え、青少年留置所にいる女の子に対してもプログラムを提供している。

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Vol.03 ブリッジスパン・グループ (アメリカ:ボストン) 
http://www.bridgespangroup.org/

ブリッジスパン・グループは、世界的コンサルティングファームであるベイン・アンド・カンパニー(以下ベイン)により設立された「NPOを対象とした戦略コンサルティングファーム」である。ビジネス分野で大きな成功を収めている様々な戦略コンサルティングの手法を、NPOの経営に導入し、NPOの経営者が直面する様々な問題に解決のヒントを与えようとしている。

ブリッジスパンは、以前からベインの中にあった社会奉仕事業を拡大・独立させる形で設立された。コンサルティングファームによるNPOのコンサルティングはそれまでも存在したが、それらの多くはボランタリーであって継続性がなかったり、逆にコンサルティングフィーがNPOには高すぎたりと、様々な課題があった。このような状況の中、ブリッジスパンは自らもNPOとして運営することで、さまざまな経験から得られた知識を継続的に蓄積し、積極的に他のリーダーたちに公開していくことができている。

なお、コンサルティングフィーは、自身がNPOであることによる税の免除や、ベインのリソースの活用により、普通のビジネスコンサルティングに比べ1/3から1/4である。さらに、それを払えない団体には、フィーの額分の助成金が与えられることもある。設立時のベインからの100万ドルと外部の財団からの助成550万ドルを原資に活動している。サンフランシスコにも支部をつくり、両オフィスあわせて33名のスタッフを抱える。

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Vol.02 インベスターズ・サークル (アメリカ:サンフランシスコ) 
http://www.investorscircle.net/

サンフランシスコに拠点をおくインベスターズ・サークルは、IPOが期待できる社会的企業の支援にフォーカスしている個人投資家ネットワーク。社会問題や環境問題に、ビジネスを通じた解決をもたらし、「サステナブルな経済」を実現するベンチャー・ビジネスの育成を目指す。

これまで8,000万ドルを120の団体に投資してきた中で、実際、すでにいくつもの企業がIPOに成功し、ビジネス・マーケットへ羽ばたいている。投資先が取り扱うテーマは、マイノリテイ問題、環境・エネルギー問題、健康問題、教育問題、コミュニテイ問題などを解決する企業への投資斡旋が主要事業。

投資目的は利益の最大化ではなく、「持続可能な未来の実現」(Venture Capital for a Sustainable Future)。そのためには、投資先企業(組織)が早期に自立することが必要と考え、通常の営利企業への投資の場合と同水準の経営サポートを提供している。

主な投資先

  • Organic Commodity Inc.
    有機農法によるココアをもとにチョコレートを作っている。有機農法を促進し、小規模農家ともフェアな取引を行うことを謳っている。55万ドルを転換社債で投資した。
  • Energia Global International, Ltd.
    ラテンアメリカでのクリーンエネルギー会社。風力発電など。93年に130万ドル投資した。
  • Sonic Innovations, Inc.
    補聴器の製造開発販売までを手がける。ユタ州ソルトレークシティーを本拠とし、デンマークにもヨーロッパ支社がある。93年から99年にかけて、200万ドル投資した。2000年5月1日に NASDAQで株式公開、5,000万ドルを調達した。従業員数250名。

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Vol.01 ロバーツ・エンタープライズ・ディベロップメント・ファンド
(アメリカ:サンフランシスコ) http://www.redf.org/

ロバーツ・エンタープライズ・ディベロップメント・ファンド(以下REDF)は、サンフランシスコ・ベイエリアにおいてSocial Purpose Enterpriseを運営する非営利組織に対し、資金の提供や経営のサポートなど、様々な支援を提供する財団である。Social Purpose Enterpriseとは、事業を通してホームレスや低所得者層に雇用機会や職業訓練を提供する営利企業のことである。

ただし、REDFは、単にベイエリアの貧困問題の解決だけを目指しているのでは無い。貧困問題に対する革新的なアプローチの開発・普及を通して、全米の非営利活動・慈善活動あり方を変革することが彼らの目指しているものである。

投資先への主な支援内容

支援期間は比較的長期にわたり、中には10年以上支援していることころもある。なぜなら支援先の自立には相当の期間を要するからであり、この点に従来の非営利支援との違いが表れている。なお、支援先が自立発展可能な段階に到達した場合にはイグジットとなる。

  • 年間20万〜30万ドルの投資
  • 戦略的な事業提携の紹介
  • 活動に必要な技術・ノウハウへのアクセスの提供
  • インターンやフェローの紹介・派遣
  • REDFや投資先の経営陣が集まっての定期的な会合
  • 社会的成果の評価

投資先の選定基準

  • 組織のミッションがREDFのミッションと一致しているか?
  • Social Purpose enterpriseを戦略的に重要な位置づけとしているか
  • 事業として結果を出すことができそうか(目的の実現に必要な財務目標を達成するためのしっかりした事業計画とそれを実現する体制があるか)
  • 社会的な成果が期待できるか?
  • 非営利組織は、運営するSocial Purpose Enterpriseの成功にコミットできるか?
  • REDFが提供する支援を役立てることができるか?

成果測定への挑戦

REDFの大きな特徴として、投資した資金に対する社会的・経済的なリターンの測定に大きな力を割いていることが挙げられる。

  • SROI (Social Return On Investment)
    投資によって生まれた経済的価値(Economic Value)に加え、行政の負担減や税収増などの社会経済的価値(Socio-Economic Value)を加味したリターンを基準として算出する。
  • OASIS (Ongoing Assessment of Social ImpactS)
    プログラム参加者が、プログラム修了後どのような生活を送っているかを長期にわたってトラッキングすることにより、プログラムの本当の効果を測定する手法。追跡のためのツールとしては、オンラインのアンケートを使用する。

主な投資先

  • Community Vocational Enterprises,Inc.
    精神的な障がいを持った人々が価値を最大限に発揮しその後自立できるような職場とトレーニングをビジネスを通して提供する。そのビジネスは、カフェやリサイクルショップなどの通常の店舗ビジネスから、用務員や事務員、運転手などの人材派遣サービスまで幅広い。
  • Golden Gate Community,Inc.
    サンフランシスコのヘイト・アッシュベリー地区のホームレス問題を解決したいという思いを持った個人・教会・組織によって1981年に設立されたNPO。Tシャツなどのプリンティングを行うアッシュベリー・イメージズや、自転車の修理を行うペダル・レボリューションといったアファーマティブ・ビジネスを、ホームレスの若者を雇用して経営している。
  • Goodwill Industries
    グッドウィル・インダストリーズは1914年にボストンで設立され、北米に187の代理店を持ち、収入は14億ドルにも上る人材派遣サービスを行うNPOである。障がいやハンディキャップを持った人々にそれぞれのコミュニティーの中での雇用・トレーニング・就業機会の斡旋を行っている。1999年には、短期的な雇用ニーズに対し登録スタッフを派遣するグッドウィル・スタッフィング・サービスを新たにジョイントベンチャーとしてカリフォルニアの代理店が立ち上げた。
  • Juma Ventures
    最近日本にも進出したベン&ジェリーズ(Ben & Jerry's)のアイスクリームやタリーズ・コーヒー(Tully's Coffee)の店舗販売・移動販売をアファーマティブ・ビジネスとして行う。2000年は約170人を雇用。その主な対象は若者で21歳以下が90%を占める。
  • Rubicon Programs
    ホームレスや貧困、身体的なハンディキャップに悩む人々が自立できるように、職業の斡旋や住居、カウンセリング・プログラムなどを提供。自身もケーキ製造・販売やビルのメンテナンスサービスなどのアファーマティブ・ビジネスを経営する。

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