みちのく復興インターンシップ(終了)

概要

みちのく復興インターンシップは、復興支援活動を続ける団体において、大学生が3週間、インターンシップを行うプログラムです。2012年夏休み(8月〜9月)に第1期〜第4期を、2013年春休み(2月〜3月)に第5期を実施し、計303人の大学生が参加しました。 (※本事業は、NPO法人ETIC.が内閣府復興支援型地域社会雇用創造事業の社会的企業人材創出インターンシップ事業の一環で実施致しました。)

2012年度の主な成果

みちのく復興インターンシップは、大学生が被災地の団体のプロジェクトに参画する短期インターンシップです。2012年度は第1期〜第5期にわたり、それぞれ3週間ずつ、現地住み込み型で実施致しました。参加対象者は、①特定被災区域居住者(200名 ※避難者含む。)、②特定被災区域出身者(40名)、③県外居住者(60名)です。3.11から2年がたった東北では、発災当初と比べて、緊急フェーズから抜け、徐々に新しい事業・プロジェクトが立ち上がりつつある状況でした。そこで本事業は右腕派遣プログラムとも連携し、右腕として東北に入った若手人材の元で、インターン生が右腕の助けとなるような活動をするようなインターンシッププログラムを実施いたしました。慢性的に人手不足だった状況に、意欲が高く、またプロジェクトゴールイメージが明確な人材が入る事により、短期間の参画であってもリーダーと右腕の活動が加速する結果となりました。また、参加する学生側も「数日のボランティアではなく、もっと積極的に自分の力を活かしたい」という意欲が高い学生だったため、ボランティア以上の活動が出来た事で復興に対する当事者意識も高まり、インターン修了後の自主活動に繋がっています。

本インターンシップの参加プログラムは、受入団体のミッションや活動内容を加速させる一助を担う事を重視し、インターンのゴールや期間中の具体的な仕事のステップをプロジェクト設計しました。

インターンシップがもたらした価値

■地域に眠る魅力を発掘し、受け継がれて来た伝統文化を復活!

【受入(期間:第2期(2012.8.20-9.9)3名、第3期(2012.9.3-9.23)4名
企業名:株式会社ミンナノチカラ(福島県喜多方市)】
【インターンシップ受入の背景】
 福島県喜多方市高郷町は、放射線量も比較的少なく、避難者の受入れなども行っています。しかし「福島」というイメージから、風評被害に苦しみ、また震災以前から課題としてあった「若者の県外流出」が加速しました。高齢化が進む中で、「地域外からの訪問者の減少」「地域内のコミュニケーションの希薄化」という課題に対して、地域の魅力を外の目線から発掘し、地域内外の資源を繋げる事で高郷町独自の地域づくりを行う事を目的とし、インターンシップ生を受入れました。
【インターンシップ受入の効果】
 第2期、第3期ともに「その土地の伝統と魅力を生かす」事をテーマに、住民へのヒアリング結果を元に、住民と話し合いながら自分たちが考えるプラン提案&実行を行いました。特に第2期のインターン生たちは、高郷町の伝統的な結婚式の道具「祝い膳」に着目。かつて高郷町は「祝い膳」を使って、自宅で約6日間に渡って結婚を祝福する風習でしたが、最近ではその伝統も途絶えていました。インターン生3名は、個人宅に大切に保管されていたその「祝い膳」を発見し、地域の伝統を復活させる事を提案。実際に、結婚12年目をお祝いする「絹婚式」を祝い膳を使用して実施しました。絹婚式には「祝い膳」を知らない世代も含めた多くの地域の住民が参加し、地域の伝統に触れる機会となりました。今後は、地域内の結婚式に限らず「農家結婚式プラン」として、地域外から若者を呼び込むツールとしていこうとしています。

■ボランティアとの情報共有をスムーズに!共有の仕組みづくりに挑戦!

【インターンシップ受入の背景】 
 NPO法人底上げは、宮城県気仙沼市で3.11直後より活動を実施している団体です。震災直後は、地元のホテルと協力し、ボランティア先の紹介や宿泊場所の提供などボランティアコーディネートを行ってきました。現在は、地元の小中学生たちに対して、他地域から来たボランティアがサポート役となる形で学習コミュニティ支援を実施。勉強を教えるだけではなく、子ども達の話し相手や遊びを通して子どもとの関わりを深めていく「学習コミュニティ広場」を運営しています。活動が盛んになり、短期的な学習コミュニティ支援ではなく、子ども一人ひとりに合わせた長期的なかかわり合いの必要性を感じ、こどもの成長と目標を長期的に記録し、職員・ボランティア双方で共有できる「パーソナリティシート」を作成しました。
【インターンシップ受入れの効果】
 本プロジェクトには、小学校の教師を志す岐阜県の学生が参加しました。以前に塾講師のバイトの経験がある事から、ボランティアと一緒に学習コミュニティ支援の現場に入り、団体が必要とするシートのフォーマットづくりを行い、ブラッシュアップを繰り返し行いました。継続的に機能する仕組みとすべく、インターン生だけではなく、ボランティアにも記入してもらい、最終的には学習コミュニティ支援の場に参加する小中学生たち全員分のシートを作り上げました。
本仕組みを作ることで、「学習コミュニティ支援の現場に入るボランティアがパーソナリティシートを通して子ども達の情報を得る事が出来、質が向上する事」、また「こども個人に合わせた学習計画・目標を長期的にたて、関係者全員で成長を見守る・共有する事が出来るようになった事」など、スムーズな業務運営の一端を担いました。

■商店主がモデルの漫画付き広報ツールを作成。賑わい創出に貢献!

【インターンシップ受入の背景】
 岩手県陸前高田市にある未来商店街では、商店街を愛する商店主たちが、行政による支援を待つだけではなく、自立的な復興のために立ち上がり、その全体運営を担う存在として右腕が派遣されていました。地元住民に利用してもらい、愛される商店街を目指して、更に商店街を盛り上げるイベントやツールの作成などを行う人材を必要としておりインターン生の若い力を期待し、受入れを実施しました。
【インターンシップ受入の効果】
 共通して「商店街のコミュニティ活性」に関心があった6名のインターン生達は、それぞれの得意分野を活かしたプロジェクトを実施。第1期は商店主たちをモデルとした漫画付きの商店街紹介冊子を作成。地域住民に手配りで配布する際に、冊子を通して商店街の魅力を伝え、「顔が見える商店街」として認知度が向上しました。
 それ以外の期でも商店街と地域住民の距離を近づけるイベントを実施し、商店街の賑わいを創出する一助となりました。大学が無い地域に、震災から2年目のタイミングで3週間、入れ替わりに計6名の学生が入る事で、商店主たちとは違った形で商店街を盛り上げました。

インターンシップからマイ・プロジェクトへ

「マイプロ for TOHOKU」は、「“自分自身の課題意識”が原点となった自分のプロジェクト(マイ・プロジェクト)の実行」を支援するプログラムです。「何かやりたいが、どのように始めたら現地から求められる活動ができるのか分からない」といった意欲溢れる学生を、ビジョンや理念の構想などのプロジェクト初期段階からサポートしています。第1期は2012年10月〜2013年3月に実施し、第2期は2013年4月〜9月に実施予定です。

詳しくはウェブサイトへ➡みちのく復興インターンシップ

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