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お知らせ 2014年4月25日

最終報告会 杉山さん「僕の好きな奈良の自然」レポート

 

 

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最終報告会 杉山さん「僕の好きな奈良の自然」レポート

杉山さんは、自然をテーマにした観光が奈良県ではまだ進んでいないということに疑問を抱かれて、自然を伝える人「インタープリター」になろうと思われたそうです。

「ちょっと寒いかもしれませんが温かくして、春日大社のささやきの小径(こみち)まで歩いて、そこからプログラムを始めようと思います。」という、杉山さん(以下:杉)の優しさがにじみでているような一言から、ささやきの小径に向かって、きらっ都ならから参加者の人たちは歩いて行きました。

 

今回のプログラムのテーマは「僕の好きな奈良の自然」なので、杉山さんがささやきの小径をお好きでいらっしゃるということが、歩くコースの決め手となったのかなぁと思いつつ、ささやきの小径を選ばれたほかの理由も知りたかったので、杉山さんに伺ってみました。

杉)「プログラムで歩くのには手頃な距離なんですよ。あと、ささやきの小径はうっそうとしているイメージがあるけれど、そういうイメージを覆したいなーと思って。不思議な形の植物だったり、動物の足跡だったり、普段見過ごしがちな自然を参加してくださる人には伝えていきたいし、自然の問題も伝えていきたい。」

 

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杉山さんのおっしゃる通りこのプログラムは、慌ただしく日常を過ごしていると気付けないようなことを気付かせてくれたり、心にゆとりをもって過ごすことで得られる楽しさを教えてもらえたりするようなきっかけを与えてくださったように感じています。

 

杉)「じゃあちょっとみなさん、目をつぶってみてください。視覚以外のところも使って自然を感じてみましょう。風のふく方向を感じてください。」

参加者のみなさんは、風のふいている方向だと思う方を指さします。そして、目を開けてみると、それぞれに思う方向を指さしていました。

杉)「それぞれに感じ方があるから、どれも正解なんです。次に、これから一分間目をつぶって、音を聞いてみてください。何種類くらい聞こえましたか?一種類でしょうか?二種類でしょうか?カラスの鳴き声、鳥は3 種類くらい、人の声、足音、車の音など、普段はそんなに意識しないけど、街の音も自然の音も聞こえてきますね。」

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杉)「今日は、鏡を用意しています。鏡を目の下にあてて、鏡に映った自然を見て歩いてみてください。やってみて気付くことがありますか?」

参加者のみなさん(以下、参)「木とか枝が身近に感じられる、少し手を伸ばしたら届きそう。」

「思ったより空が明るいです。」

「鳥を探してみたくなります。」など、参加者の方達それぞれが思うことを言っていきました。

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杉)「近所の公園とかでするだけでも視点が変わって楽しいですよ。今からは、『これ面白いな』とか『これ気になるなー』とか思うものをひとつ選んで持ってきてください。時間になったら入山禁止と書いてあるところに集合してください。」

と、杉山さんがおっしゃってから、「入山禁止とか書いてたら入ってみたくなるよなー。」などと参加者の方と談笑しつつ、自分が好きだと思うものを探す時間へ。

 

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杉)「こんなのあったよって教えてくれる方いますか?」

参)「思い出の場所に行ってきました。高校時代によくさぼって行ってた(笑)そのまま残っていてびっくりしました。」

杉)「秘密の場所なんですね。」

参)「そう、私のとっておきの場所なんです。」

参)「鹿さんを見ていました。何考えているんだろうって(笑)」

参)「木に彫られている文字を見つけました。」

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杉)「何でしょうね、面白いですね。ここは原始林的なところなので、大きい木がたくさんありますよね。さらっとしていたり、湿っていたりして、なんとなく心がゆったりするような気持になりますよね。みなさん、大きい木を見つけてみると、恥ずかしいかもしれませんが、抱きしめてみると良いですよ。では、今から奈良の鹿愛護会に行った後に、僕のお気に入りの木を見に行きましょう。」

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杉山さんの「僕の好きな奈良の自然」に参加して印象的だったのは、杉山さんも含めて参加者のみなさん同士が初対面にも関わらず、それぞれの意見が矢継ぎ早に出ていることでした。

温かくもユニークなお人柄でいらっしゃる杉山さんが居てくださることで、参加者のみなさんの緊張を和らげ、それぞれが思うことを臆することなく話し、共有できる空間になったのでしょう。

また、杉山さんは奈良の自然のすばらしさを参加者のみなさんに伝えるだけではなくて、思わず目を背けたくなるような事実にもきちんと向き合うことを厭いません。

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鹿愛護会では、鹿の角きりなどの行事が行われているだけでなく、交通事故で負傷していたり、病気になっていたりする鹿を保護して、育成しています。あとは、鹿がどのような原因で交通事故に合うのか、交通事故に合う時間帯は何時頃が多いかといった鹿に関する研究をされていて、それらの資料を各自で見ていました。

その後、杉山さんお気に入りの木をこっそり教えてもらいました。

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杉「鳥の名前を3種類くらい覚えたり、自分のお気に入りの木を見つけたりしておくと良いよ。そうすると、普段の生活がちょくちょく豊かになるから。」

このプログラムでは、杉山さんを通して、人と人、人と自然、人と動物との関わりが生じます。

これらの関わりができることこそ、このプログラムに参加する醍醐味なのではないかと私は思いました。

「楽しかった。」「良い思い出になった。」という一過性の感情ではなく、「またささやきの小径に行ってみたいな。」「自分もお気に入りの木を見つけてみよう。」「負傷した鹿ってこの場所にいてるんや。誰がどういう様に飼育しているんやろう。」「また杉山さんや参加者の人に会いたいな。」など、どんどん今後につながっていくのです。

 

実は杉山さんは、自然を伝えてくださっているのではなくて、今後につながる「きっかけ」という贈り物を参加者の方たちに与えてくださる方なのではないかと思いました。